これまで何度かペリットという名前を出してきましたが、ではそのペリットとは何なのかを詳しく書いていきたいと思います。
猛禽類は食事となる餌をほぼ丸呑みします。
なので餌となった動物の毛や羽、骨などもまるごと口にしてしまうので、骨など胃の中で消化出来なかったものを塊にして口から吐き出します。
これをペリットと呼びます。
タカ科の動物の場合は、大きな骨を丸呑みしない限りペリットに骨は含まれないのが普通ですが、フクロウの場合は骨が含まれているのが正常です。
胃の酸性度の違いだとか。
この“塊にして吐き出す”ために、餌の羽や毛が重要になります。
仮にピンクマウスのような毛のない餌ばかりを与えていると、フクロウはペリットを吐けません。
大きい骨などはそれ単体で吐き出すこともあるので、見た目が骨ばかりの塊を吐き出す場合もありますが、これは特に心配いりません。
胃から吐き出されるので、吐き出したばかりのペリットは湿っています。
臭いもしてきそうに思われますが、通常のペリットはほとんど臭いがしません。
もし生臭かったり腐った臭いのするペリットの場合は、消化不良などの可能性があります。
また、このペリットもフクロウの健康を計るバロメーターになります。
野生のフクロウの生態を調査する場合も、ペリットにはフクロウの食生活や生息環境の情報が詰まっているので、そういう場面でも利用されているようです。
ちなみにもし野生のフクロウのペリットらしきものを見つけたとしても、素手で触らない方が良いでしょう。
野生のフクロウが食べているのは、無菌状態で繁殖された餌ではないので、当然 汚いネズミであったり 病原菌となるものが含まれている場合があります。
ペットのフクロウのペリットは僕の場合 普通に触ったりしていますが、心配な人はこれも一応 素手で触らない方がいいかもしれません。
ペリットの中には、飼い主の気付かないうちに誤飲してしまった布だったりゴムだったりが、ペリットから発見できる場合もあるので、そういった意味でも 余裕があればペリットをほぐしてじっくり観察してみると良いでしょう。
(↑ペリットをほぐすと消化できなかった骨などがある)
ケージの外に出しているときは、油断してると本当に気付かないうちにいろんなものを飲み込んでしまってる可能性があります。
ちなみに、新聞紙をビリビリ破いて遊んでいた うちのフクロウは、やっぱり僕の気付かないうちに新聞紙を食べてしまっていたようで、黒いペリットが吐き出されました。
絶対に新聞紙のインク…。
イタズラ好きで好奇心旺盛なフクロウには困ったものです。
吐き出せなくなって病院に連れてって開腹手術なんてことになったら一大事ですから、ケージから出す際には気をつけましょう。
与えた餌とペリットの大きさを考えてみたり、餌食いが悪いときはペリットの中からその原因が発見できるかもしれません。