フクロウの健康管理

フクロウ ペット

体重管理はもちろんのこと、餌やサプリなどからの栄養管理、
伸びてくる爪や嘴のケアの他に、羽の様子や目の色、糞やペリットを観察して、健康に過ごしているかどうかを計ります。

あまり過敏になり過ぎることはないかと思いますが、フクロウに健康に長生きしてもらうためには日々気をつけるべきことはたくさんあります。

フクロウを飼う上での注意』という記事でも書きましたが、フクロウは本当に体長不良を表に出さない生き物なので、普段の様子をしっかり確認し、いつもと違う様子に飼い主が気付いてあげる事が大事です。

仮にフクロウ自身が不調を仕草に出して訴えていても、それを見た飼い主がフクロウからのシグナルを感じ取れずに
「今日はいつもと違うこんな仕草をしてて可愛いなぁ」と呑気に眺めているだけでは、フクロウはあっという間に弱っていってしまいます。

反対に、大したことがないのに大慌てして病院へ頻繁に連れ出せば、普段の生活と違う外の世界に連れ出されるのはフクロウにとってのストレスになってしまいます。

海外の虹彩分析学の研究者の一人は子供の頃に、フクロウの目を見て フクロウの体調不良が目に反映することに気づいたそうです。
足にひどい傷を追ったフクロウの目の中に黒い線が浮き出ていて、足が治っていくにしたがって黒い線は消えていったそう。

毎日見るとかえって気づきにくい部分というのはありますが、日々の中で現れる異常にすぐ気づいてあげられることが大事だと思います。

例えば健康なフクロウの嘴は、艶があり形が良く、ヒビ割れなんかもありません。

もし色艶や爪などのヒビ割れなんかが確認できた場合には、摂餌に問題があるかと思います。
その際にはまずフクロウの食生活を見直してってみましょう。

栄養に偏りがないか、同じ餌ばかりを与えすぎてないか、そのせいで栄養バランスが崩れている可能性があります。

出来る限り毎日体重を量るようにして、そのフクロウの標準体重を知っていきましょう
人と同じく個体によって体重も様々です。

その標準体重に合わせるような形で餌を調整していくと良いと思います。

重くなりすぎれば飛ぶのが困難になり、軽くなり過ぎても今度は栄養が不足して命を落としてしまうこともあります。

ケージから出さずに放置ばかりした状態になってしまえば、飛ぶために必要な筋力は当然衰えてしまいますし、運動をすれば当然カロリーを消費します。
食べていたはずなのに餓死した…ということも実際にありえる話なので、それこそ人と同じように健康でいるためには栄養と運動のバランスが大事だと思います。

野生ではないので外敵に襲われる心配もなく、餌も黙っていても勝手に出てくる、そんな飼育下のフクロウはきっと退屈です。
『広い外を飛びたい』と思っているかもしれないし、それとは正反対に『身の危険のない安全なケージに居られて落ち着く』と思っているかもしれません。
野生とは違い刺激が少ない飼育下です。特に好奇心が旺盛な種のフクロウも多いので、適度な刺激を与えてあげてください。

とはいえ部屋の中を自由にしては、いろんなものを千切られたり壊されたりとこっちも大変になってしまうので、おもちゃ(飲み込んでしまわないもの)を使って構ってあげる時間も作ってあげてください。

『この人間は警戒する必要ないヤツだな』とわかってもらえれば次第に慣れてくれます。

日光浴をさせたり、外を眺めさせてやるのも良いです。
基本的には夜行性の動物ですが、生物にはビタミンの生成に日光は重要なはずですし、羽毛を纏ってますから布団のように殺菌にもなるはずです。(といっても直射日光まではしませんが)
外を眺めさせてやるだけでも 家の中の景色とは違う刺激があって、きっとフクロウも楽しく感じられるはずです。

そして弱っているときは反応が弱くなります。
抵抗する気力や体力を失くしている可能性も充分にあるので、毎日元気そうかしっかり様子を見てやること、異変に気づいてあげることが大事だと思います。

今日本でブームとなっているフクロウカフェは、海外の人から見ると「フクロウの自由を奪っていて可哀想だ」「虐待だ」という声も多く挙げられているようです。

確かにフクロウは本来 大空を自由に飛んだり出来る環境に住んでいて、ペットとして飼うのはフクロウにとって野生と違う環境に閉じ込めてしまっているとも考えられます。
(動物園の動物はどうなのかという話にもなってしまいますが…)

もともと野生動物は生きていくために常に過酷な生存競争の中で死と隣り合わせです。
『命の危機のない環境に居れて幸せ』と思っているかもしれないし、フクロウ自身にしかわかりません。

ペットにとっては貴方だけが唯一の家族…
なんて言葉を犬の飼育に関するところなどでよく見かけますが、フクロウの場合はきっと“餌をくれる人”程度にしか思っていないでしょうけども(苦笑)
それでも人の手で育ててあげるならば、せめて責任をもって元気に長生きさせてあげましょう。